プロトタイプ(?)の試奏
2ヶ月ほど前にカスタムオーダーしたMoonのベースですが、実はつい最近まで細かい追加注文をしておりました。本来なら最初の時点でちゃんとすべきだったんですが、暫く経つと色々思い出してその都度確認&追加注文ということを何度も繰り返してしまい、関係者の皆さんには大変迷惑だったと思いますが、オーダーの変更可能な期間のぎりぎりまで細かい注文に付き合って下さった皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
そして先日、楽器店のスタッフの方から「プロトタイプと言ったら変ですが、例のパーツを組み込んだものが入荷しましたので是非試して下さい。」という連絡を受け、早速行ってまいりました。
例のパーツというのは以前私がオーダーする際に組み込んでもらうよう頼んだパーツで、「
Noll electronic(ノル・エレクトロニック)」というドイツのメーカーが製作されているプリアンプのひとつだったんですが、それをMoon(PGM)で組み込むのは初めてだったらしく、事前にパーツの相性テストを行って頂いたんですが(
その記事はこちら)、そのテストで使用されたパーツを使ったものを一足先に組み込んだ別のベースが楽器店にやってきたという訳です。
実際に試してみた感想ですが、ノイズの少ない事と、その楽器本来の音を元に調整を行う純粋さに驚きました。日本で輸入代理店をされてる
Sleek EliteさんがNoll electronic製のプリアンプについて紹介されているページには下記のように書かれています。
Noll Electronicsでは、原音に忠実である事を最大の目標とし、自身ベースプレイヤーとしても活躍しているKlaus Nollの手によって、楽器を弾く演奏者の為に製作されているプリアンプです。
大抵のプリアンプはそれぞれのキャラクターがあり、どんな種類の楽器やピックアップを使用していてもそのプリアンプを通すと、例えプリアンプ側でトーン調整を行っていなくても、そのプリアンプの音になっちゃう事が多く、JBタイプだと
Bartolini(バルトリーニ)のTBTやTCT系列が顕著な例ではないでしょうか。Bartoliniのプリアンプはとても優秀だと思いますが、良くも悪くもBartoliniの音になっちゃう傾向があるようです。
しかしNoll electronicの場合はそうではなく、ピックアップからの信号をプリアンプに通さない(パッシブ)状態とプリアンプに通す(アクティブ)状態の切り替えを今回の試奏で行ってみたんですが、プリアンプ側のトーン調整を全くしてない状態だと切り替えても全く音質が変わらなかったんですよね。これには本当に驚きました。しかも大抵は切り替え時にパチッとスイッチノイズが出たりするんですがそれも全くありませんでした。
そしてプリアンプの音質ですが、試奏したベースにはOxalis(オギザリス)というピックアップが装着されていたんですが、このピックアップそのものがかなり硬めの音質だったのでトレブル(高音域)はあまりいじらず、ミドル(中音域)を少しとベース(低音域)をぐっとブーストしてやるとパンチの効いた音になって良い感じでした。私がオーダーしたタイプはこれにパッシブ時専用のトーンコントロールも付くので幅広い音作りができて嬉しい限りです。
試奏後、楽器店のスタッフの方が「工場(PGM)の方が仰ってたらしいですけど、『これ(Nollのプリアンプ)は玄人向けだ。』と仰ってたらしいですよ。(笑)」とこっそり教えてくれました。確かにこのプリアンプは、信号を通せば相応の良い音が出るというわけではないので、そういう意味ではちょっと敷居が高いかも知れません。しかし、楽器本来のポテンシャルを引き出すという意味合いでは、素晴らしい木材と素晴らしい職人から作り出される楽器にとっては強力な武器になるのではないかと思います。後の問題は演奏者だけですね(笑)。
完成時期は年末くらいになるかも知れないとの事。とても楽しみです。
<関連リンク>
Otomania.net(おとまにあどっとねっと) - パーツテスト、クリア!
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Otomania.net(おとまにあどっとねっと)- Moonのベースをオーダーしました
MOON GUITARS - ムーンギターズ
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