[Bass] Bassline - Worp Artを試奏してきた
少し前に
独特のルックスを持つベースを見つけたことをTwitterでツイートしたんですが、縁あって実際にそのベースをお持ちの方のご厚意により試奏させていただくことができました。
Basslineというドイツのメーカーが手がける
Worpというシリーズだそうです。
まずその独特のフォルムが印象的で、分類的にはシングルカッタウェイ&ヘッドレスのスルーネックに属すると思うんですがそのネックがまず特徴的で、指板やフレットが存在する位置から低音弦側にネック材だけが大きくはみ出すような形になっており、それが11フレット辺りでボディ材と融合するといったとても変わった仕様となっています。しかしこれは理に適った機構だそうで、通常のベースよりも鳴るよう木材の面積を稼いでいるんだそうです。そしてネックスケールは88.5cmとおよそ35インチとほぼ同等でした。
そしてここからが今回のWorpのすごい所で、このWorpにはソリッドボディの
Standard、チェンバーボディ&フレットレスの
Acoustic、そして自由にカスタマイズできる
Artと3種類存在しており、今回試奏させていただいたのはその何でもありのArtでした。寄せ木を使用したりチェンバーボディーにマグネティック2つとピエゾの両ピックアップを搭載。そしてそれらのバランサーと各ピックアップにEQ搭載という特別仕様だそうです。
実際に弾いてみた感想ですが、まず見た目に比べものすごく軽いです。チェンバーボディーという仕様の影響も大きいと思いますが、全体的に比較的軽めの材を使っているように感じました。そして演奏性は中々よく、そのはみ出した指板材の裏は左手の親指が滑らかにフィットするよう緩やかなカーブになっており手触りも良く、そして重量バランスも良好でした。何より驚いたのは、立って演奏する方が演奏しやすかったことです。これは個人差があるかも知れませんが、少し眺めのネックスケールなので座って弾くと少しローポジションが遠く感じる傾向があって、それが立って弾くと不思議と解消されたんです。私自身エレキベースは立って演奏することが多いので、こういう仕様はとてもありがたいです。
そして音はとても素直な印象でした。マグネティックピックアップの方は中低域に暖かみがありピエゾの方はワイドレンジでで、そこにチェンバーボディーの箱鳴り感が加わっているといった感じでした。それぞれをうまく音作りしつつブレンドしていくことで様々な音作りが可能でした。個人的にはマグネティックのハイとローを削り、そこにピエゾの音色をブレンドした音が好みでした。どんな音作りをしても両ピックアップが素直な出音でプリアンプもナチュラル系のNollが入っておりとても使いやすかったです。
少しだけ気になったのはその独特の機構ゆえにネックを握ることができなくなるという制約が発生する事と、座って弾く際は少しローポジションが遠く感じる所でしょうか。私は現在6弦ベースをメインで使用していますが、その6弦でもローポジション付近など場合によっては握る癖があるので、そこの部分で少し戸惑いが生じました。これについては慣れるしかないと思います。あと個人的な感想としては、この形状の恩恵を最大限受けようとするのならソリッドボディのStandardよりもAcousticやArtのチェンバーボディーを選んだ方が良いと思います。
計算しつくし理を追求した結果誕生した独特のルックスは、きっと見るものを惹きつけてくれると思います。BasslineのWorp、是非お試し下さいませ。今回機材提供をして下さったT様ならびに場所を提供下さった三木楽器心斎橋店様ありがとうございました!
<関連リンク>
BassLine
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