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2013/08/13

[Bass] Marleaux - Consat CustomとConsat Signatureを試奏してきた
2年半ほど前に試奏して以来、気に入っていたMarleaux(マーロウ)のベースの取り扱いを島村楽器が始められたそうで、今まで東京でしか触れることができなかったMarleauxがとうとう大阪で試奏可能になったということで、早速試奏してきました。

簡単に説明しますと、Marleauxは幼い頃から伝統楽器やデザインに勤しまれたGerald Marleaux(ジェラルド・マーロウ)氏が1990年に立ち上げたしたドイツのベースメーカーだそうで、伝統を受け継ぎながらも常に改善を求めるクラフトマンシップ溢れるデザインのサウンドは欧州で高い評価を得ているそうです。詳しくは島村楽器の紹介サイトをご参考下さい。

Marleaux - Consat Custom

今回は2本試奏しました。まずはMarleauxの代表モデルと言っても過言ではないConsat(コンサット)シリーズのCustom(カスタム)6弦から。

こちらはMahoganyバックにMurtleトップのマット仕上げになっていていました。Consatを見てまず感じるのが、いかにもヨーロッパといった感じの絶妙な曲線を用いたボディシェイプから溢れる気品です。そしてそれは音にも言えることで、一本筋が通ったようなしっかりした中低域を基本にアコースティックな雰囲気を漂わせる軽やかな高域が実に心地よく、特に高音弦は手元の設定次第ではまるでナイロン弦を奏でているかのような開放感あるの鳴りに驚かれると思います。とてもバランの取れた音色は多くのジャンルに対応してくれることでしょう。

Marleaux - Consat Signature

そして2本目は同じくConsatシリーズのSignature(シグネイチャー)5弦です。

こちらは先のConsatシリーズ最上位機種で、ひと目で違いのわかる使用材などのパーツから製作工程まで全てにこだわったモデルだそうです。仕様パーツ以外にもこのモデルには注目点がありまして、内蔵されているプリアンプが実にユニークで、Hi、Mid、LowそれぞれのEQ設定を自分好みに設定できるProgramAble 3-band EQを搭載しています。具体的な使い方は、まず2つあるミニSWの片方を使ってパッシブ状態にし、もうひとつのミニSWを3秒以上ONににしてから離すと、各EQツマミの位置(0 or center or 10)に応じた帯域が設定させれるそうです。たとはLowが0の位置だと100Hz、センターだと160Hz、10だと250Hzという風に各バンドそれぞれに設定が可能となっていました。これを使うことで実に多彩な音作りが可能になっているようです。

弾いてみた感想ですが、やはりこれも良かったです。先のCustomと比較するとより硬質な音で、相対的にCustomより中低域が落ち着いた感じになっていましたが高音域はとても出ていて、これ以上出過ぎると神経質な印象を受けかねないぎりぎり手前までしっかり出ていました。プリアンプの効き具合も中々で色んな味付けが可能でした。個人的にはLo EQの設定帯域のうち100Hzにつていてはもう少し下の方が良いかなと思いましたが、全体的な印象は概ね良好でした。それとMarleauxのほとんどのモデルに使用されているDelanoのピックアップもとても好印象で、モダンでワイドレンジながらも決して耳障りではない音色の傾向はとても好みです。

ただひとつだけ気になった点がありました。それはモデルの違いによる作り込みの違いでした。実は今回の試奏は森岡克司さんとご一緒させていただいており、色々お話をしつつ試奏させていただいたんですが、森岡さんも以前からMarleauxがお気に入りだったそうで、実際沢山のMarleauxに触れてこられたそうですが、作り込みの甘さについては試奏前から指摘されてらっしゃいました。私は実際に触れてみると確かにそれは実感できるレベルで、最上位機種のSignatureは問題なかったのですが、Customについてはフレットのすり合わせが甘く、ネックそれほど真っ直ぐにしていない状態でも特定のフレットで音詰まりが発生しており、いわゆるハイエンドクラスの楽器ではあって欲しくない状態でした。森岡さんが現在使用されてらっしゃるConsat Customも当初はそんな状態だったらしいですが、PLEK処理を施した後はとても状態が良くなったそうです。ですので、作り込みというより正確には最後の仕上げ工程に少し甘さがあるのかも知れません。いくら最上位機種と違うとはいえ、そういった部分はきっちり最後まで仕上げてもらいたいものです。

とは言え、これについてはドイツと日本の気候の違いによって発生したものかも知れませんし、PLEK処理を施せば最終的に全く問題ない状態までセッティングを追い込めますのであまり気にしなくても良い問題かも知れません。島村楽器の各店舗でも今後そういった個体はきちんと再調整する方向で検討されてらっしゃるそうですので、もし今後試奏された際に違和感があったら、担当の方に申し出た方が良いかも知れません。

逞しいながら上品なConsat Customと優雅できらびやかなConsat Signature。現在この2本は島村楽器梅田ロフト店で試奏可能となっておりますので、興味のある方は是非お試し下さいませ。Marleaux公式サイトにはConsatシリーズ以外にも様々なモデルのサンプル音源が置いてありますので、そちらも是非ご利用下さいませ。

今回の試奏にご協力いただいした森岡克司さん、本当にありがとうございました。

<サイト内リンク>
[Bass] G-CLUB渋谷(黒澤楽器店)で“Marleaux(マーロウ)”と“Ritter(リッター)”のベースを試奏してきた

<関連リンク>
Marleaux BassGuitars
島村楽器オンラインストア |MARLEAUX / マーロウ ConsatCustom 6str
島村楽器オンラインストア |MARLEAUX / マーロウ ConsatSignature 5str

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