[Live Repo] 2013/07/27 - 2013/07/28 森岡克司 & Robert "Bubby" Lewis
週末の二日間は森岡克司さんとRobert "Bubby" Lewisさんのクリニックとライブにカメラマンとして参加させていただきました。元々お二人の演奏を見るのは以前からとても楽しみにしていましたので、カメラマンと言いつつも半分はぐらいはお客さん的な気分でした。
まず27日のクリニックは三木楽器さんが企画されたもので、基本的な内容からテクニカルなことまで幅広くレクチャーしようといった内容だったんですが、当時にトラブルが発生。なんタクシーが目的地を間違ったようで、そのせいでBubbyの到着が遅れ、結果的には打ち合わせなしのぶっつけ本番でクリニックが始まりました。一体どうなることやらと周囲が心配そうな雰囲気を漂わせていたものの、いざ始まってみればそんな心配はただの杞憂。二人の演奏が始まった瞬間空気は一変。打ち合わせなしとは思えない演奏は圧巻の一言でした。
クリニックの質疑応答では6弦ベースのミュート方法やBubbyの練習方法やアプローチ方法など、演奏に直接関わることから間接的なことまで様々な質問が飛び交っていました。そんな最中、唐突に森岡さんがBubbyに「なぜ今日は地下足袋を履いてるの?」という質問を投げかけました。恐らくこの質問は誰もが気になっていた事だったと思うんですが、実はBubby、黒い地下足袋を履いて登場したんです。そしてその質問の回答がこうでした。
「NARUTO!!」
以前から聞いていたんですが、Bubbyは大の日本好きで、その中でも日本のアニメいわゆるジャパニメーションが大好きらしく、その日も自らを「OTAKU(オタク)」と呼んでいました。クリニック中にも「Yabai(ヤバイ)」という単語を何度も叫んだり、あの北斗の拳の有名な「お前はもう死んでいる」という決め台詞を嬉しそうにポーズ付きで叫んだりと、そのオタク度はかなりのものでした。そんなBubbyの明るいキャラで会場は和み、森岡さんのテンポの良いトークで会場は温まり、そして二人の熱いプレイで会場内の時間はあっという間に過ぎました。
そんなクリックも無事終了し翌日の28日。伊丹のALWAYSで行われたライブもクリニック同様とても濃密でした。この日は昨日のクリニックの面子にギターが加わり、最初はBubbyを除いたスリーピースから始まり、途中でBubbyが参加。そして一旦休憩を挟んだ後に第2部という構成で行われました。私は主に前方で演奏している皆さんを撮影していたんですが、とても印象的だったのは音量を含めた音の濃度がものすごいのにも関わらず心地が良かったんです。クラシックのコンサートを聞いている最中に眠たくなる感覚に似たものがそこにありました。
カメラマンという立場上、ずっとカメラを構えていなくてはならないのですが、たまに構えたままシャッターを切るのを忘れてしまうほど我を忘れてしまう瞬間がありました。そんな楽しく濃密な時間もあっという間に過ぎライブは終了。やり終えたお二人はどこか満足気でした。
クリニックやライブが終わった後、森岡さんが使用していたベースを触らせていただいたんですが、まず驚いたのが森岡さんがずっと愛用されてらっしゃるXoticのXB。当サイトをよく訪れて下さる方はおわかりの人も多いかと思いますが、新しいXBが入荷するとすぐ試奏しにいくほど私はXoticのXBが好きなので、それこそかなりの数をXBに触れてきたのですが、森岡さんのXBは今までのものと一味違いました。もし私がまだ6弦ベースを買おうと物色中にこの一本に出会ったら、恐らくこのXBにしたかも知れないほど素晴らしい音色でした。
元々XBはKen Smithっぽい音色だと言われることが多いんですが、個人的にはそのKen Smithよりも森岡さんのXBの方が好みでした。Ken Smithをもっと元気にしたようなパンチのある低音とクリアな高音を基本に様々な音色に変化させることができるXBはとても魅力的でした。そして二日目のライブで演奏されていたMarleaux(マーロウ)も素晴らしく、音の傾向がXBに近かったです。私も以前Marleauxは何度か触ったことがありとても好きだったんですが、今回演奏されてらっしゃったMarleauxは今まで自分が触った個体よりも低音が太くて驚きました。今後弾き込めば高域もしっかり抜けてきそうな音色でした。
そして同じくBubbyが使用していたMTDも弾かせていただいたんですが、やはりMTDらしい音でした。金属的な部分までしっかり出るアコースティックな音色ながらも粘りのある中低域は癖になりそうでした。そして今回個人的にとても気になったのが使用弦で、メーカーはLa Bella(ラベラ)だったのですが弦はWhite Nylon(ホワイトナイロン)というものらしく、日本国内には未入荷の弦でした。この弦が実に良く、まず手触りが滑らかでとても心地良く、長時間の演奏にも指のダメージが少なそうな印象でした。そして特筆すべきは音色で、ブラックナイロンのようなウッドベース的な丸いアタックではなく、きちんと高域のブライトさもほどよく出ているとても優れた弦でした。しかもこの弦は非常に持ちが良いそうで、一年ぐらい張りっぱなしでも全く問題ないそうです。個人的にこの弦は日本に入ったら売れるのではないかと思います。
そして弦について少し意外だったのが、森岡さんが今回Elixir(エリクサー)の弦を使用されていた事です。私も以前Elixirは使っていたのですがDingwallを使用するようになって以降は遠ざかっていました。しかしどうやらその間に弦の仕様が変更されたらしく、テンション感が柔らかくなったそうです。今回実際に森岡さんのベースに触れてみた所、その柔らかいテンション感に驚きました。以前よりも弦がしっかり振動してるとても言いましょうか、弦を弾く心地よさが加わったように感じました。スケールの問題でZ3などには張れないとおもいますが、これなら個人的にもSuper Jになら張ってみたいと思いました。
二日間に撮影した写真は約2800枚。RAW撮りだったのでデータ容量は全部で約35Gに達しました。それらの写真は今後どこかで公開されるかも知れませんので、その時は追ってご報告いたします。森岡さんとBubbyならびにプレイヤーの皆さん。そして三木楽器さんやPCIさん、ローランドさんなど関係者の皆様。お疲れ様でした!&お世話になりました!
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