[Food] 難波 - 焼庵(しょうあん)
難波にある「炭火焼&焼酎BAR 焼庵(しょうあん)」に行って来ました。
Na.氏の紹介だったんですが、彼が以前からずっと猛プッシュしていたのでとても楽しみにしていまして、やっと念願かなったという訳です。お店はいわゆるちょっとした隠れ家的な佇まいで、店内も暖かみのある雰囲気でとても落ち着いた雰囲気でした。
しかしそんな穏やかな空気とは対照的に、お店で出される逸品たちに次から次へと面食らいました。
七輪が置かれた後、まず出てきたのがこの「合鴨のせせり」でした。「せせり」とは首の肉のことで、焼き鳥屋さんではよく見かけたりすることがあると思いますが、合鴨のせせりは今回食べるのが初めてだったので興味津々だったんですが、炭火で焼かれたせせりを一口噛むと、鶏肉では味わえない風味豊かな旨みが口の中いっぱいに広がり、驚きを隠せませんでした。
脂身のない部位なのにとてもジューシーで全く臭みがないのにも驚きました。実は正直言うと、今まであまり鴨の類は好きではなかったんです。というのも、今まで食したものはどれもが大抵臭みがあり、一種の苦手意識があったんですが、今回食べた合鴨は今までの概念を覆してくれました。文句のつけようがありませんでした。
次にやってきたのが「珍味焼」という、色んな一夜干しなどの珍味を先ほどと同じように炭火で焼いて食べるものです。今回は太刀魚、トロあじ、ハタハタの一夜干しと、イカの口部分「とんび」を食しました。これらがまた実に美味しいんです。太刀魚はいわゆるみりん干しのようなお酒の進む味で、ハタハタやトロあじはほどよく脂があり、とんびは噛めば味わい深くてとても香ばしかったです。
そして個人的にとても興味があった「本ししゃも」のオスも期待を裏切らない味わいでした。このししゃも、なぜ「本」という文字が頭に付いているのかというと、一般的にスーパーなどで安価で売られているようなししゃもは、厳密に言うと「カラフトシシャモ」や「カペリン」といういわゆる「代用魚」で、、本来のししゃも固有種とは別のものなんです。なので本来の固有種であるものは「本ししゃも」と呼ばれるようです。そして「子持ちししゃも」と言われる卵を持ったメスの方が重宝されがちですが、オスは卵を持たない代わりに身に栄養が行くようで、身はオスの方が美味しいらしいです。
そしていよいよ締めのメニューの登場です。
この「鴨そば」にはやられました。後から知ったんですがこの鴨そば、なんと一日数食限定メニューだそうです。その日に仕入れる合鴨から取れる鴨だしの量が限られているからとの事。理由を聞き納得しました。そんなこだわりを持つ鴨そばの味は、今まで食べたことのある鴨そばの中で間違いなくトップに君臨する味わいで、ネギが苦手な私でさえその合鴨のエキスをたっぷり吸ったネギを黙々と口に運んだほど美味でした。
そして最後に出てきたこの釜飯にも衝撃を受けました。鮭やイクラが美味しいのはもちろんですが、何よりお米が美味しいんです。聞くところによるとこのお米、いわゆる有名どころの銘柄ではなく、なんと大阪で作られている「なにわ米」というブランドらしいです。意外かも知れませんがその味は他の有名なブランドに負けず劣らず甘みのあるふっくらしたお米でとても美味しかったです。鴨そばでお腹いっぱいだったはずなのに、結局はこの釜飯もあっという間になくなりました。
あと写真はありませんが、このお店のポテトサラダもこだわり抜いた逸品だそうで、このポテトサラダ目当てのお客さんもいらっしゃるとか。そしてこのポテトサラダ、芋焼酎と一緒に食すとお互いの風味が増して双方ともとても美味しくなるんです。これにも驚かされました。
総じて大変満足させてもらったんですが、合鴨といい一夜干しといい米といい全て良い食材なのは間違いないんですが、それに加えその食材の良さを引き立てることのできる調理人あってこそ成り立つ味わいがそこにはありました。週末は予約でいっぱいになるのもうなずけます。今度はまた違うメニューも色々味わってみたいですね。
焼庵、とてもおすすめです。
<関連リンク>
ぐるなび - 炭火焼&焼酎BAR 焼庵
焼庵 しょうあん - なんば/炭火焼き [食べログ]
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